コラム

社員採用する意味について考える

2018/07/31

Column

人材を採用をする上で、「社員形態で本当に採用することが必要なのか?」という時代がきています。

現代は働き方がすごく多様化してきています。例えば、在宅ワークやフリーランス、業務委託といった働き方もありますし、副業という働き方もあります。



このように働き方が多様化する流れの中で、本当に社員採用は必要なのでしょうか。

今回は、社員採用の必要性や新卒採用や中途採用に対する見解、そして今後の日本経済を考えたときにどういった人材に目を向けるべきなのかを、世間一般とはまた違った切り口で考えてみました。

01

人材採用において、社員採用かそれとも別の雇用形態の人材が良いのか

まず人材採用に関してですが、私個人としては社員を採用することは非常に重要だと考えています。 働き方が多様化していたとしても、理念の共有や一体化、会社のベクトルを揃えることなどを含めた帰属意識はすごく大事だと思っています。

そういった意識は、アルバイトや派遣や委託やフリーランスの方がないとは言い切れませんが、どうしても社員ほどあるわけではない印象です。全員が社員である必要はないかもしれませんが、やはり会社として根幹となる社員は必要だと個人的には考えています。

たとえば、アルバイトや学生は気まぐれで自由な傾向があり、みんながみんな責任感を持っているとは限りません。 もちろん自分のプライベートを削ってまで働けという時代でもありませんが、責任のある仕事を任せるとなったとき、その人の雇用形態で判断することは多いと思います。

非正規雇用者は正規雇用者に比べて、最初から今の会社で意欲的に長く働き続けるつもりはあまりないケースが多いかと思います。 ひとつのベクトルを合わせるという意味では多少難しい部分があるかもしれません。



社員に関しては、やはりアルバイトよりは覚悟を決めて入社しているわけですから組織としての一体感は持ちやすいです。 当然すべての人に当てはまるとは限りませんが、少なくともアルバイトと比較すれば、自分のことだけでなく会社のことも考えようと思えるモチベーションを持っている人は多いのではないでしょうか。

社員がもつ「自分はこの組織の一社員なんだ」という意識こそ、アルバイトや派遣や委託やフリーランスという働き方の人たちよりは帰属意識を持ちやすく、ベクトルが合わせやすい大きな一つの理由だと思っています。



一企業として、日本経済により良い影響を与えるためには組織全体の結束力は非常に重要なものでしょう。

だからこそ働き方が多様化している現代であっても、会社として社員採用は必要であると思っています。

02

社員採用を増やすにはどこに目を向けるべきか

それでは実際の採用市場はどうでしょうか。

現在、日本の労働人口は減っています。同時に売り手市場のこの現代社会です。 そのような採用環境の中で、特に採用が苦戦する業界や職種、中小企業では、どのようにして社員採用を増やすことができるのでしょうか。

採用が苦戦する会社が社員採用を増やすために残された選択肢は2つしかありません。

①日本以外から人を連れてくること

②潜在労働者を活用すること

それでは、社員採用するための2つの選択肢についてそれぞれみていきましょう。

日本以外から人を連れてくること

具体的には、外国人労働者を採用することが1つの方法としてあげられます。

国や文化の違いで、企業側も労働者側もお互い対応能力が必要不可欠ではありますが、若い労働者が減っている日本の現状では、枠にとらわれない社員採用も視野にいれていくべきではないでしょうか。

潜在労働者を活用すること

日本にいる潜在労働者とは女性、もしくはシニア層を指しており、その方たちを活用することが必要になってきています。

たとえば、女性の働き方について考えてみましょう。 女性には結婚、出産があり、フルタイムで働くことが中々難しくなってきます。 そういった状況では、在宅や時短といった状況に合わせて対応できる働き方は必要です。


今後の社員採用は、労働人口が減っていっているからこそ、上記の方々をうまく活用していくことが重要になってくるのではないでしょうか。

03

社員の採用は、新卒採用か中途採用か

社員採用においては、新卒採用と中途採用どちらかになりますが、どちらもそれぞれの良さがあります。

これは私個人の考えですが、「会社の理念や文化を伝える」場合なら新卒が、すぐに「幹部・管理職・マネージャー」や「専門的なスキルや知識」が必要な場合は中途がいいと思っています。

ただ、長年数々の採用に携わってきた経験上、中途半端な中途(結果を残していない、給料がそこそこの評価しか出せない、未経験中途)なら新卒の方がいい印象です。 特に専門的なスキルや知識がない中途の方の採用は、入社後厳しい結果の場合が多いでしょう(もちろん全てとは言いません)。

必ずしも即戦力になるわけではない上に、前職の経験で変なこだわりを持っている場合もあり、成果がすぐに出ないにも関わらず、素直ではない分、扱いがどうしても難しいと感じるのが正直なところです。

もちろん、そのような中途人材であっても仕組化され、人のスキルに依存しない企業であれば活かすことは十分に可能です。 その点、新卒の場合は中途よりも素直で、企業理念や文化が浸透しやすく、組織を活性化させてくれる存在になる傾向があります。

新卒も中途半端な中途も、新入社員に変わりはないので、導入教育にかかるコストは大差はないとは思います。 一方で、まだまだこれからの人材である新卒には、ビジネスマナーといった基本的なことを一から教える必要性も場合によってはあるでしょう。

教育体制を整えることも重要になってきますので、中途採用よりはコストがかかることは避けられないケースもあると思います。 私の経験上、もちろん全員がそうだとは言いませんが、新卒・中途のおいて、上記のような傾向があります。

ただでさえ売り手市場で採用が厳しいといわれている中、会社の状況や目的に合わせて、「今、自社にはどういった人材が必要なのか?」ということを今一度真剣に考えてみてください。

04

社員採用後の離職の問題や、新しい選択肢について

新卒採用に関してはよく大卒の離職率は「3年3割」という数字がよくあげられます。

世間一般とは真逆かもしれませんが、私の個人的な見解として「3年3割」でもいいと思っています。 むしろそれくらいの数字になるのは当然だろう、とも思っています。(入社1カ月以内などで辞めるのはよくないと思いますが……。それは入社前に防げると思います。)

離職率で「七五三」(中卒が7割、高卒が5割、大卒が3割)というものがあります。 よく採用支援会社で多いのが「3年3割の離職率を減らしましょう」ということですが、そこを減らそうとすることよりも、他に目を向ける方が良いと思います。

海外の一部の国ではインターンシップをがっつりするところもありますが、事前にそういった就労体験があったとしても、離職率が一定数あるのは事実です。そして、流動化してどんどん職が変わっていっています。

日本はそういった就労体験がない人も少なくありませんので、入社後のギャップがあって当然です。さらに、インターンをしたとしても、入社後にギャップを感じるのは不思議なことではありません。 なので3割が離職することに関しては悲観的に感じることはありませんし、むしろ当たり前ではないかと思っています。



今後の流れとしては、労働人口の流動化がもっと加速していくと思います。 そこに縛り付けるというよりも、新卒以外しか受け入れないといった体制を変えることの方が重要ではないではないかと個人的に感じています。

さらに、女性やシニア層といった潜在労働者を活用する、もしくは受け入れるキャパのある組織や会社をつくっていく方が、より日本社会にとっていいのではと考えています。

仮に様々な会社が新卒離職率の3年3割をどんなに減らそうと頑張っても、20%程が限界だと私は思います。そこまで離職率を減らせたとしても、日本経済が何か大きく変化するとは思えません。

今まで活かされていなかった潜在的な労働者の流動化が図れる企業や組織をつくることの方が、より経済として、社会として意味合いが強いのではないでしょうか。



私としては、どこもかしこも「3年3割」について色々と言及していますが、正直聞き飽きたぐらいです。 今まで何年も採用に携わってきましたが、3割の離職率を悪いとは個人的には思いません。 ずっと長く働く方がいてもいいですし、どんどん流動化する人が一定数いてもいいと思っています。

要は多様な社会になっていますので、多様な選択肢があっていいと思っています。 むしろ流動化する人でも働きやすい社会づくりに目を向ける方がいいのではないでしょうか。

若い人の離職について色々と言及されていますが、私が色々とみてきた現状としては、シニアや女性の社会復帰のほうがとても辛く大変なものと感じます。 もちろん、本人の問題もあるかもしれません。 しかしながら、特にスキル・人脈を持たなかったシングルマザーやシニアの方であれば、余計に辛さが顕著だと、個人的には思います。

なのでプラットインは主に新卒を支援している会社ではありますが、新卒を優遇するわけではありません。 「他にも目を向けていいのでは?」ということをお伝えしたいです。

汚い言い方ですが、「おじさんたち」だって、いいと思います。 経験もあり、おじさんならではの良さがあり、その良さを上手く給料や雇用形態、働き方のバランスを考えて上手く活用することが必要になってくるのではないかと思います。



労働力・社員採用・雇用について、あらゆる可能性に目を向けてもいい、時代の転換点ではないでしょうか。

求人カタログの運営を通して
2018/06/14

求人カタログの運営を通して