2025年卒の新卒採用はどうなるか?
6月に入り2024年卒の新卒採用が本格化(正確には終息化)してきましたが、採用市場は変化が多いため既に「2025年卒の新卒採用はどうなるのだろう?」と考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
2025年卒の新卒採用は、採用する企業側よりも求職者である学生が有利な「売り手市場」がより強くなっていくと予測しています。
新型コロナウイルスの影響を受けて2021年卒以降より低下していた有効求人倍率が、2024年卒では1.71倍と前年度から0.13ポイント上昇し、コロナ渦前の水準に戻るほどの回復を見せました。
この数字は、2022年半ばからコロナ渦に出口が見えだしたことで、2023年卒の採用時は採用拡大に慎重であった中小企業も含めて、2024年卒は企業の採用意欲が戻ったことによるものであると言えます。
2023年4月下旬に発表されたデータによると、2024年卒の学生の民間企業就職希望者数が2023年度の44.9万人から45.1万人と0.2万人の増加でしたが、民間企業の求人総数は70.7万人から77.3万人へと6.6万人も増加しています。
つまり、民間企業に就職したいと考えている学生に対して、企業が求めている人数が32.2万人も多い超過需要がおこっているということです。
※参考:リクルートワークス研究所 第40回 ワークス大卒求人倍率調査
2024年卒の有効求人倍率がコロナ渦前の水準に戻っていることや、求人総数が就職希望者数をかなり大きく上回っていることから見ても、2025年卒の有効求人倍率は間違いなくさらに上昇し、求職者側が有利な「売り手市場」がさらに色濃くなると予測できます。
また、これからの数年間は新卒採用については基本的に売り手市場が続くことが考えられます。
近年は新型コロナウイルスによって有効求人倍率が低下し、買い手市場の傾向にありましたが、少子化によって若者の人口が減少している今、売り手市場が続くことが本来の流れです。
今後リーマンショックのような経済危機やコロナ禍のようなパンデミック、もしくは国の施策に大きな変化が起こらない限りは有効求人倍率が上がり続け、企業側にとって新卒採用はより厳しい市場になると見通しが立てられます。
2025年卒の有効求人倍率については2024年の春にならなければ分からないですが、個人的な見解では、ここ数年の中で1番の高水準になると予測しています。