就活コラム

新入社員だけど辞め方が分からない‥相談する時の順序と相手

2017/06/12

Column

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1.退職を相談・伝える相手の順序

管理者への相談の項でも述べましたが、最近は新入社員の早期離職を防ごうとしている職場が増えて来ています。これは国の施策でもあり、新卒向け求人を出す際に過去3年以内の採用数と離職者数を表記するようになったことなども影響していると思われます。そのため退職の意思表示があれば、昔より親身になって相談に応じてくれるケースが多くなっているようです。時には退職を考える要因になっている点を改善してくれる可能性もあるでしょう。

いずれにせよ入社後間もない段階で退職を考え始める場合、社会経験や知識が浅いために安易に考えているケースが少なくありません。そのような状態で退職してしまっては長い目で見た時に後悔することにもなりかねません。大切なことは独りで悩んで結論を出さないということです。

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2.同期入社の仲間や同級生は案外心強い

会社の外にも相談出来る場所はあります。例えば卒業した学校です。私もある学校で就職支援をしていますが、実際に卒業生が相談に来ることもあります。現状報告や本当に遊びがてらという者もいますが、半数程度は退職を悩んでの相談です。

 

この場合もいきなり「あの会社辞めようと思って・・」と切り出してはいけません。「せっかく指導して入社出来たのに、わがまま言うな!」と説教されてしまうかもしれないからです。実は先生方は放っておいても「どうだ、あの会社は。やっていけそうか?」と聞いて来るものです。その時点で正直に相談して方が親身に考えてくれるでしょう。

また、最寄りのハローワークに出向いてみるのもいいでしょう。私もかつて在籍していましたが、退職を考えているという若者とよく相談に応じました。ハローワークには専門の資格を持った人やトレーニングを受けた人が数多くいるので、安心して相談出来ます。何をどう相談したらいいか分からない時でも、相手はプロなので上手に聴き出してくれます。また若者専門の相談機関もあり、こうした所を紹介してもらうことも出来ます。退職を悩んでいるなら冷静で客観的なアドバイスをもらえますし、転職を決意しているなら効果的な進め方や求人の選び方も指導してもらえます。また適性診断を実施している所もあり、何よりこうしたサービスが無料で受けられるので、利用してみるといいでしょう。

 

ちなみに私の経験上から言えば、退職を悩んでいる状態で来た人の大半は悩みを吐き出すことで概ね落ち着くことが出来て辞めずに済んでいました。

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3.外部にも相談に応じてくれる機関がある

1に挙げたような身近な先輩がいないケースもあります。こんな時は同期で入社した仲間がいればその人に、それもいなければ以前の同級生に相談してみましょう。歳が同じであれば気兼ねなく本音で相談が出来るのではないでしょうか。特に同期入社の仲間は同じ環境にいることから話易いと思われるので、しっかり相談してみることを勧めます。

 

私事ですが、数十年前新入社員で入社した職場を半年程で辞めたいと思ったことがありました。それこそ、聞いていた仕事内容と違っていたからです。しかしその時に相談した同期の仲間の考え方に衝撃を受けました。詳細は省きますが要するに私の考え方や価値観とはまったく異なっていて、「そうか、そういう捉え方もあるんだ」と正に「眼からウロコ」状態だったことを覚えています。結果その時は退職しませんでした。それどころかその同期に対して「コイツには負けられない」と意識するようになり成長に繋がったとも考えています。

 

退職しない方がいいと言うわけではありませんが、自身の浅い経験や価値観だけで判断するのは勿体ないと思います。同じ様に同級生との相談も有効です。同じ職場では無くても、むしろ違う環境だからこそ自身の悩みが客観的にどの程度のものなのかを測ることが出来るからです

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4.早い段階で相談を、自分独りで結論を出さないように

【1-1 まずは指導担当者に本音で相談してみる】
年齢の近い指導担当者いる場合は先ずその人に、特に指導担当がいない場合は出来るだけ身近な先輩に相談をするようにしましょう。組織というものにはルールがあり、上役に相談する場合でも下から順序を経て持ち掛けるということが一つのルールとなっています。そのためいきなり管理職辺りに相談をしたのでは、先輩達の反感を買ってその後の業務がやり辛くなる恐れも出て来てしまいます。

相談の切り出し方としては、辞めたいと感じている要因を素直に伝えつつ「先輩はこんな時どうしたのですか?」「辞めたいと感じたことはありませんか?」と相談してみます。この時いきなり「辞めたいんです」と言っては相手も驚いて冷静な意見が出せなくなってしまいますので、悩みを相談するスタンスで持ち掛けることがいいでしょう。

 

相手の年齢が近いほど共感してくれるでしょうし、未だ知らない仕事の面白さを教えてもらえるかもしれません。変な表現かもしれませんが、キレイに退職しようと思えばこうした身近な先輩方を味方に付けておくことがポイントとなるのです。

 

 

【1-2 管理者に伝える場合はアポイントを取ってから】
いよいよ管理者に退職を持ち掛けけるとなったら、先ずは時間を確保してもらうようにしましょう。業務中にいきなり「相談があります」と言って内容が退職云々では管理者も面食らってしまいます。朝の始業前辺りに「相談したいことがあるのでどこかで時間を頂けませんか」と申し出ることがいいでしょう。

 

切り出し方も不満ばかり捲し立てるのは厳禁です。何故なら管理者は当然ながら社歴も長く職場に愛着を持っているからです。そんな人が入社したばかりの若造から不満や悪口を聞かされては気分が良かろうはずがありません。結果「アイツはダメな奴」の印象を持たれた上に辞めさせてももらえないという事態になりかねません。先輩にも相談したが悩んでいる、辞めようとも考えているがどうしたらいいか、と持ち掛けてみましょう。

ところで管理者の立場になれば部下が辞めるのは非常に困る事態です。自身の評価にも影響しますし、組織編成も考え直さないといけなくなり余計な仕事が増えることにもなるからです。ですので余程の問題社員で無い限りは全力で引き留められるでしょう。そのため了解を得るまでに日数を要することを理解しておく必要があります。

2017/06/11

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