1.「共感、同調」から「オウム返し」そして「提案」
このように、心理学を学ぶことで、人事やマネージメント業務、営業職において成果をあげたり、プライベートでも良好な関係を気づくことができるようになるのです。もう一つ、相談員という立場から心理学をみると、心理学の全てを友好的に受け入れることはできないことに気が付きます。
それは、「だましの手法」。たとえば買い物でも、一般的な金額より安い料金を提示されて購入を決意してから、そのメンテナンス料金や付帯サービスの追加を提案されて了承し、全体的に見たらとても高価になってしまったという「ローボール・テクニック」も心理学の応用です。もっと怖いのは、「バーナム効果」。これはフォアラー効果とも言われ、多くの人間が当てはまる内容を聞いた時に「自分のことを言い当てられた!」と思い、それを「言い当てたと感じた」相手を信用することです。この結果、詐欺にあったり、マインドコントロールにかかったり、悪い結果を言われて悩んだりする恐れがあります。
実は、カウンセラーとして話を聞く中で、この「心理学の負の利用」のために悩んでいる例は多く存在します。何かを相談する時、本当にお客様やクライアントのためを考える良心的な相談相手なのかを見極める、保身のために心理学の本を読んだりセミナーに出るのも、一つの手段かもしれません。