就活コラム

人気職種の実態を知る-貿易会社編-

2017/10/10

Column

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1.日本に存在する貿易会社のタイプ

まず、一般的に日本国内におけるいわゆる貿易会社と呼ばれるものはどのようなタイプが存在するのでしょうか?

 

大企業になると輸出入を共に請け負う【総合商社】が多くなり、資金力を背景に大量に購入して単価を安くして高利益を稼ぐパターンになります。中小企業になると主に輸入業が多くなり、特定の分野に特化して多品種小ロットで商品展開するケースが多くなるでしょう。国際間における商取引は米ドルベースで進められることがほとんどなので、どの貿易会社においてもいかに金融機関から有利な価格で米ドルを多く調達できるかが大きな課題となるのです。

 

また、貿易会社でも商品加工を進めて輸出入を進めるケースは経済のグローバル化の進んだ現代では特に多く見られるようになり、日本に本社を置いている企業も開発途上国などに加工拠点を置くことで高利益を実現させています。そのため、現在は単純にアイテムの差益で利益を安定した利益を上げられる時代ではなくなっていることも事実でしょう。

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2.貿易会社で歓迎されるスキルとは?

さて、色んなアイテムを扱う貿易会社に求められるスキルですが、語学、特に英語の一定レベルのスキルはとても歓迎されます。通常貿易における通関書類は英語で記載され、クライアントとのメールベースでの通信についても英語で進められることが一般的です。現在はメールだけでなく、電話などを使った会話での通信スキルも求められることもあり、英語レベルも比較的高いものを要求する貿易会社も少なくないでしょう。

 

ただ、貿易会社のスタッフにすべて語学スキルが求められる訳ではなく、むしろ細かい数字などを間違えないように確認して書類作成できる管理レベルがより必要とされる場合もあります。新卒で貿易会社に入社する場合は貿易の知識はそれほど必要ありませんが、人材募集段階で英語レベルを持ち合わせていると採用に有利になる傾向は否めません。また、貿易会社はチームワークでの業務遂行がメインとなるため、同僚をフォローできるような業務上の学習能力も欠かせないでしょう。

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3.純粋な貿易業務だけの企業は少ない?

既存の貿易会社の現状を見てみると、どの職場も少ないスタッフで貿易業務を進めていることが多いものです。つまり、貿易業務が本来の業務でありながらも必要に応じて他の業務に従事する場合も多く、これは貿易会社が必要としている人材としてトータルで会社を支えられる者であることが分かります。

 

時には営業的な仕事を進めることもあれば、出荷作業にも関わることもあり、決して貿易業務だけに偏らない業務遂行能力が発揮されなければなりません。これにより、貿易会社に入社して単純に事務的な貿易業務を進めたい方は、入社後に求められる業務のミスマッチに遭遇してしまう可能性もあります。貿易会社のタイプだけでなく、各企業によって進める貿易業務の具体的内容は異なりますし、募集時における具体的業務に関するヒアリングは確実に行っておくべきでしょう。

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4.企業によっては海外駐在の可能性も!

大企業としての貿易会社だけでなく、中小企業の貿易企業はメーカーとしても機能している場合もあります。これは一般的に海外に現地工場を設立し、そこから自社製品を日本本社へと輸入するケースが最も多くなるのです。このような業務ケースになるとスタッフは現地へと駐在する可能性も捨てきれず、長期赴任まではいかなくても頻繁に出張に出かけなければならなくなるでしょう。

 

つまり、スタッフによっては貿易業務が進めたいけど、海外には行きたくないということも十分にあり得るのです。ただでさえ語学のできるスタッフは最初から将来的な駐在要員として採用されることもあり、貿易会社内でもグローバルな活躍を望んでいないスタッフであればこのことが大きなストレスにもなります。やはり、貿易会社への就職は長期的に見ても海外志向の強い方のほうが受け入れられやすく、入社した本人にとっても満足できるスキルが達成しやすくなるはずです。

2017/10/09

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