就活コラム

非常勤講師として働く-給料は?魅力は?安定するの?-

2017/10/24

Column

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1.非常勤講師のお給料等経済事情

非常勤講師のお給料を知っていますか?大学の学部で教える非常勤講師のお給料の一般的な相場は1科目90分30,000円~40,000円ほどです。専門学校の非常勤講師はそれよりも安く設定されることが多くなっています。大学院で教える場合はやや高めに設定されていることもあります。理系科目や医学系科目も高めに設定されることもあります。このようなお給料の額ですので、1科目しか教えない非常勤講師の給与では一人暮らしの生活は困難です。そのため、実家から通える通勤圏内で教える場を探す人も多くなります。

 

また、いくつかの大学の非常勤講師を掛け持ちしたり、塾や家庭教師で教えたりすることで生計をたてる人が多くなっています。中には、同一大学で4科目~6科目ほどのコマ数を任せてもらえることもあります。これは、本人の実力だけで決まるとは言いきれず、ポジションが運良くあいているかどうかにもよりまります。

 

また、運も大きく影響するだけではなく、非常勤の仕事が増えるかどうかには、日頃の人間関係も関わってきます。例えば、非常勤講師をしている先輩が講師や准教授などにすすむときに、どの後輩にポジションを譲るか等は日頃の人間関係が影響することがあります。日頃から、人間として信頼してもらえるように、また実力や努力を見てもらえるように、勉強会や研究会、学会などに日頃から積極的に参加しておくことがおすすめです。

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2.企業に就職する場合と非常勤講師の生活の大きな違い

非常勤講師として勤務する場合と一般企業に就職する場合での生活の大きな違いとして、上記で述べた経済的側面があります。ここだけにスポットをあてると、非常勤講師として勤務するということのマイナス面に目がいく人がいるかもしれません。けれども、自分自身が好きでやりがいのある仕事をしながら、非常勤講師から講師、准教授とステップアップしていくプロセスの中で経済面も大きく変わっていきます。徐々に契約の条件が良い方向へ変わっていき、正規の大学教員となると社会的な信用度も高まり、経済面も潤います。

 

それ以外に、時間をある程度自由に使えることも非常勤講師として勤務する中で魅力あるポイントのひとつです。生活に困らないだけの収入を確保できれば、それ以外の残った時間は自分自身の研究に使うことができます。また、非常勤講師をしている間に培ったスキルを認められ、海外の研究所勤務などの話が出てくることもあります。

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3.非常勤講師の魅力とは?

非常勤講師として勤務する魅力は、やはり自分自身が究めたい分野を追求していけることにあります。好きなことをしている時間は苦労ではないと思える人には、魅力的な進路のひとつともいえます。日頃の学びの中で、研究に関わりの深い人たちと接することができることも魅力です。深く広くその世界を構築する際に力となってくれる人間関係を築けます。また、自分自身の研究が高く評価されるときには、普段出会えないようなその道の専門家から共同研究の話をもらえることもあります。

 

「好きなことを探求することで生活できる」ということを一度は夢見るのではないでしょうか。それを実現する中の最初の1歩が非常勤講師や助教としての勤務だといえます。そこから講師、准教授と学内でステップアップしていくことも可能ですし、学外へ活動を広げていくことも可能です。知的好奇心を満たしながら生活できることが、非常勤講師の最大の魅力です。そして、そこからまた次の道を模索していく中で、より自分自身の知りたい、学びたいという欲求を満たしていくことも魅力だといえます。

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4.まとめ

非常勤講師からのスタートであっても大学講師を選ぶということは「好きなことで食べていく」という魅力があります。けれども、それに伴う経済的な不安定さから逃れることは難しいといえるでしょう。就職を選択すると、今取り組んでいる研究を本業とすることは諦めなければいけませんが、趣味の範囲で続けていくことはできます。大手企業に就職すれば、経済的な面では非常勤講師に比べれば安定する可能性が高くなります。あなたがどちらを選択するのかは自由です。自分自身の性格を確認しておきましょう。

 

・経済的な安定を強く求めるのかどうか。
・会社の肩書きを必要と考えるかどうか。
・今の研究を趣味と割り切れるかどうか。

 

悔いのない選択をするためには、自分自身の性格を再度見直すことが大切です。悔いのない選択をしたいですね。

2017/10/23

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