1.牧場で働く
最後に狭き門といえますが、酪農の研究所での仕事についてご紹介します。研究所といいましても、酪農の研究施設は様々あります。そのひとつに牧草の研究があります。多くの酪農家では、自分で牧草を育てています。そのため、育てやすく牛の好む牧草の開発ということが重要になります。酪農家を訪れ、希望の牧草を取材し開発しますが、ひとつの牧草ができるまでおよそ10年かかるといわれています。気の長い研究ですが、酪農には欠かせない研究です。
またその牧草によってどう牛が成長するのかを研究する機関もあります。どの牧草がどれくらいエネルギー化され、どれくらい栄養になったのかを調べるのです。その結果効率よく牛を育てることのできる牧草がわかるようになります。研究所とは違いますが、生乳の安全を検査する機関もあります。毎日365日、牛乳になる前の生乳の成分や菌の有無などを調べます。これも酪農業には欠かせない大事な仕事です。こつこつ仕事が好きな方にむいているでしょう。
人工授精士、という仕事もあります。日本の牛の90%は人工授精ということをご存知でしょうか。生乳の乳量の管理、また性別の管理のため、牛の人工授精は欠かせません。人工授精を牧場主が自分で行うこともありますが、牛の排卵期を確定し、いい時期に受精を行うことが重要になります。
これらの研究所などの仕事は、大学でも牛の研究をしていた方がなることが多いようですので、狭き門といえますが、酪農業界には様々な仕事があることをご紹介しました。酪農業というと地味な仕事だな、と思っている方も多いと思いますが、実は工夫次第でどんどん面白くなるお仕事です。牛が好き、ということは必須ですが、動物と触れ合うことが好きで、身体を動かすことも嫌いではない、という方なら若いうちにチャレンジしてみたい仕事のひとつ。まずはネットで探してみましょう。