1.事務は暇、と思われている所以
もともと、編集ライターをしていた私が、事務職への転向を考えたのは、まさに「暇そうだから」という理由からでした。ライターの仕事はやりがいはありましたが、長時間労働もままありましたし、休みも不規則で、体調も限界を感じていました。その点、事務員なら定時で終わるだろうし、自分のペースで働けるだろう。そう考えて事務職を希望したのです。
私がなぜ、事務を暇だと考えたかというと理由は四つあります。
一つ目は、冒頭にも申し上げましたが、テレビドラマや映画などメディアにおける事務員の描写が非常にのんびりした様子であったこと。
二つ目は、基本的にルーティンワークのため、慣れれば簡単にできそうと思ったこと。
三つ目は、実際、事務で働いている友人から「暇だよ~」と聞かされたこと。
四つ目は、求人広告にある「残業ほとんどなし」の言葉や、給与がそれほど高額でなく、この金額でそこまで過酷と言うことはないだろう、と思ったこと。
事務は暇そう、と言われる所以もこのあたりにあるのではないでしょうか。現実を知らないからこそ「事務は暇」と思ったのです。それでは、私が知った事務の現実を、お話していきましょう。