1.何を翻訳するのか分野を決めること
私は海外に行くまで無口で自分の意見を一切言わない子でした。何故ならば、自分の思いを上手く表現できず、自分なりに精一杯伝えても自分の思いと違うように伝わってしまい、結果「言うんじゃなかった。」と思うことばかりでした。「それであれば、面倒くさいし、いっそ何も言わないでおこう。」と子供ながらに思っていたように記憶しています。そんな私が、英語が話せるようになりたいという一心で短大を休学しイギリスへ留学しました。最初の頃は、元来の意見を言わない自分に加えて、英語が上手く話せないこともあり、話すこと自体が面倒で何のために留学したのか、毎日自分の部屋に閉じこもってばかりいました。
しかし、1人で生活するには話さざるを得ず、ある日「アカン、黙っていたら相手の思う壺。ちゃんと自分の意思を伝えないと。」と思い、下手な英語でも勇気を持って、少しずつ自分の意見を伝えるようになりました。そうしなければ生きていけませんでしたから。そうやって数年が経過した頃にはイギリス人相手に自分の意見を主張できるようになっていました。もちろん自己主張さえすれば良いということではありません。自分の意見を主張することで問題が起こったり、後悔することもありました。しかし、それを繰り返していかなければ伝え方や表現力は身につかないと思います。しっかり言葉で喜怒哀楽を正しく表現できること。それは上手い翻訳の根幹ともなるのではないでしょうか。