就活コラム

働き方改革は新卒採用にどのような影響を与えるのか

2018/01/13

Column

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1.働き方改革とは?

今さらではありますが、簡潔に働き方改革とは何かをご紹介します。首相官邸ホームページによると、働き方改革とは「一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ。多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組んでいく」ことだそうです。 

 

ただ中でも「緊急に実施すべき対策」として、「“希望出生率1.8の実現”“介護離職ゼロ”という二つの目的達成に直結する政策に重点的に取り組む」と示しています。 

 

では、働き方改革は新卒採用には影響を及ぼしていないのでは、と勘違いしてしまいそうですが、働き方改革の波は新卒採用にも既にきています。

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2.働き方改革と新卒採用について

自分の周りの就活生の方を見ていると、私が学生だった頃と就職までの一連の流れはそれほど変わっていないように思います。つまり、大学4年生までに企業から内定を貰い、大学卒業後1カ月後の4月から新卒社員として働き始めるという一連の流れです。

 

こうしてみてみると、やはり働き方改革は新卒採用には殆ど影響を及ぼしていないように思いがちです。でも首相官邸ホームページにもあるように、働き方改革は「労働基準法70年の歴史の中で歴史的な大革命」であるからこそ、「スピードと実行が重要」なのです。

 

だからまだまだ数は少ないですが、所謂大企業ではありますが既に「新卒一括採用」という聖域に切り込んできている企業は既にあります。しかも業界が多種多様なので、これから働き方改革の裾野が広がるであろうことは想像に難くありません。

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3.徐々に始まっている働き方改革

では実際に働き方改革を始めている企業はどこでしょうか。2016年10月3日付けの電子版『日本経済新聞』には、「ヤフーは新卒の一括採用を廃止する。10月から新卒や既卒、第二新卒などの経歴にかかわらず30歳未満であれば誰でも通年応募ができるように」したそうです。

 

同じく2017年6月19日付け電子版『日本経済新聞』によると、「ユニリーバ・ジャパン(東京・目黒)は19日、大学の新卒学生と既卒者を対象に、最速で入社の2年前に内定を出す新たな採用制度を導入することを明らかにした」そうです。「大学1~2年生でも内定を取得できる可能性があるという。応募も通年で受け付けるなど、手続き全体の柔軟性を高め、優秀な人材を獲得しやすくする狙い」とのことです。では日本の全企業の90%以上を占めると言われている中小企業の場合は、どうなっているのでしょうか。

 

中小企業は、よくニュースでも取り上げられているように、新卒を募集しても中々人が集まらなかったり、新卒を一から教育する時間を取ることが難しかったりするので、新卒採用を控えている企業が多くあるようです。そう考えてみると確かに、私がお世話になっていた会社も(「編集・校正」という職種内容も関係しているのかも知れませんが)半分以上が新卒採用を行っていませんでした。やはり新卒採用の働き方改革は、まだ中小企業にまでは及んでいないように見受けられます。

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4.働き方改革と新卒採用

以上より、働き方改革が新卒採用に及ぼしている影響はまだ微々たるもののようです。ただ世間で「貧乏くじ世代」と呼ばれている“元新卒”の立場から言わせていただきたいことがあります。 それは、2030年問題や2045年問題のときには真っ先に立ち向かう立場になっているであろう新卒に対してこそ、まずは働き方改革を始めるべきではないですか?ということです。

 

私たち「貧乏くじ世代」は、本当に受験は大変、就職はない、結婚は厳しい・例えできても子どもを生み育てられる環境があまり整っていない…という状況でした。でもその中でも何が一番衝撃的だったと問われれば、私は真っ先に迷うことなく「就活!」と答えます。

 

あの頃は通年採用など当然ながらありませんでした。なので一度就活に失敗したときの打撃の大きさは、相当なものでした。またあの頃は、“パワハラ面接”という言葉も、“就職差別”という言葉も市民権を得ていなかったので、面接では言われるがままでした。

 

そんな経験をしたからこそ、未来のある新卒から働き方改革をはじめて欲しい、というのが私の願いでもあります。「より多くの方が心豊かな家庭を持てるように」なるためには、まず一番若い世代から改革のメスを入れること。働き方改革の成功の鍵は、そこにあるような気がしてなりません。

2018/01/12

大手企業と中小企業の働き方改革とは?