今さら聞けない御社と弊社の違いと意味

「御社」とは相手企業を口頭で表す際の尊敬語です。口頭なので、説明会や電話、面接などで相手企業について言葉で表したい時に使用します。

①「御社」の使用例

• 御社の商品の最大の特徴について教えてください。
• 御社が第一志望です。
• 御社ではどのような新人教育を行う予定ですか？

尚、御社と同様に相手企業を尊敬語で表す際に使用する「貴社」は文章などで使用します。つまり、ESや履歴書、メールや手紙では「貴社」を使用する必要があります。

②「貴社」の使用例

• 貴社益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
• 貴社の一員として活躍できますよう、今年度中に資格取得をいたします。

また、既に尊敬語である「御社」や「貴社」に様をつける人がたまにいますが、間違った使い方なので注意しましょう。

「弊社」とは自分の所属する会社を謙遜して表す言葉です。口語文語に関係なく使用します。

①「弊社」の使用例

• 弊社の商品の最大の特徴は子供にも使いやすいところです。
• 弊社への志望理由を聞かせてください。

尚、弊社と同様に自分の所属する会社をへりくだって表す際に使用する「小社」も弊社と同じように使用します。つまり、弊社も小社も社外に向けて使う言葉です。

また、自分の所属する会社を表す言葉に「当社」や「我が社」もありますが、それぞれ謙遜の意味を含みませんので、社内で使われる場合がほとんどです。

②「当社」・「我が社」の使用例

• 当社の今期の売り上げ目標達成のために営業の増員を決定しました。
• 我が社の今年の社員旅行は北海道になりました。

説明会や面接などで採用担当者が「弊社」と言うのに引っ張られて、うっかり弊社と言ってしまわないように気をつけましょう。

「御社」や「弊社」の「社」は会社を表しているので、相手が企業の時にのみ使用します。

もし相手が企業でない場合はどうするのか、以下に例を挙げました。

• 学校……御校（貴校）/弊校
• 幼稚園や保育園……御園（貴園）/弊園
• 法人……御法人（貴法人）/弊法人
• 機構……御機構（貴機構）/弊機構
• 組合……御組合（貴組合）/弊組合
• 協同協会……御会または御協会（貴会または貴協会）/弊会または弊協会
• 銀行……御行（貴行）/弊行
• 信用金庫……御庫または御金庫（貴庫または貴金庫）/弊庫または弊金庫
• 各都道府県庁……御庁（貴庁）/弊庁
• 市区役所……御所（貴所）/弊所
• 病院……御院（貴院）/弊院
• 舗……御店（貴店）/弊店

このように、御社や貴社のみでなく、相手に合わせて敬称を変えることもマナーの一環ですので、常に意識するようにしましょう。

就活中に使うのは主に御社・貴社です。弊社については、まだ社員ではない学生が使う機会がありません。

①合説や説明会などでの使用例

• 御社の強みは何ですか？
• 御社が求める人材像とはどのようなものですか？

②ES・履歴書での使用例

• 貴社の主力商品である○○システムの開発に、私がこれまで研究してきた□□のノウハウを生かすことができると思い、志望いたしました。

③電話での使用例

• 御社の会社説明会に参加の申し込みをいたしたく、ご連絡いたしました。
• 本日14時より面接に伺うお約束をしております、◯◯大学の◯◯です。大変申し訳ございません。現在御社に向かっている途中なのですが、人身事故の影響でストップした電車の中にいる為に間に合いません。

④メールでの使用例

• 先日はOB訪問の日時のご連絡をいただきましてありがとうございました。〇月〇日〇曜日11：00に貴社のロビーで待ち合わせとのこと、承知いたしました。
• 面接でも貴社が第一志望であることをお伝えいたしましたが、本日の面接で、貴社で働きたいという気持ちがますます強くなりました。

ビジネスシーンでは御社、弊社を使い分けるのが常識です。

就活中からしっかりと使い分けていくことで、入社後もスムーズに使うことができ、電話対応やビジネスメールの送信などにも役立ちます。