就活コラム

理系学生のための失敗しない就活法

2019/05/30

Column

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1.忙しいを言い訳にしない

私が勤めていたIT企業において、文系理系の割合は、ほぼ半々と言ったところでした。
理系の中には東京大学出身の方までいてかなり驚いたのを覚えています。
東京大学なんていったら、官僚とか、研究員とか、そういうものになるものなんだろうと漠然と思っていたためです。
理系の方には、「推薦」という制度がある、ということを私はその東大卒の方から聞きました。
研究職や開発職に就く方が多いため、技術力の高い即戦力となる学生を入社させるべく、企業から大学や教授へ一定の人数を斡旋してもらえるよう設けた入社枠です。
ただ、東大の方いわく、「もらえるのは一部で全員じゃない」とのこと。
もらえなかった学生は普通に就活をするそうですが、理系の学部だと、研究が忙しく就活の時間を作るのも結構しんどい研究室もあり、なかなか思ったように活動ができない学生も多いとか。
ただ、その方はこんなことも言っていました。
「研究はもちろん大事で、就活の武器にもなるからおろそかにしちゃいけないけれど、もらえるかもらえないかわからない推薦をあてにしていると後々苦しむことになる。だから、できる限り就活も並行して行った方がいい。忙しいを言い訳にしても後に続かない」とのこと。
忙しいから後回しにするのではなく、時間を見つけて取り組むことが大切ということが、よくわかる言葉ではないかと思います。

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2.コミュ力なんていらない!と思い込まない

すべての理系の方が必ずしもそうだとは限りませんが、私が働いていたIT企業に集った理系の方々は人とコミュニケーションを取ることが苦手な方が多かったように感じています。
みんな根は良い方ばかりで、慣れてくればちゃんとお話しもできるのですが、引っ込み思案だったり、言葉が足りなかったりのいわゆる「コミュ力」がやや足りないという感じです。
なぜ理系出身だとそういう方が多いのだろう、と思っていたのですが、ある理系出身者からの発言でなるほど!と思いました。
「ものづくりだったり研究だったりにはそれほど人と関わる必要がないからね。黙々とやるのが性にあってるし、沁みついてるんだよ」
確かに技術職なら、人との関わりが少なくても済む可能性はあります。
ただ、実際、入社してみたら開発と言いながら営業とともにクライアントの元へ赴くこともありますし、まったくの一人で作業を行う職場もまれなはずです。
就活の際、面接官は「理系だからあんまり話せなくても仕方ないね~。多分彼はこう言いたかったんだろう」と思ってくれるでしょうか。おそらくそれはないでしょう。なぜなら入社したら人と関わって仕事をしてもらわなければならないのですから、コミュ力が足りないよりある人を選ぶことは大いに考えられます。
技術力という強い武器を持っているのに、コミュ力で失敗することのないよう、いろいろな先輩や就活仲間を作り、コミュ力を磨くことが必要なのではないでしょうか。

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3.分野違い、と切り捨てるのはやめよう

就活には面倒なことが多いです。
筆記試験だったり、グループディスカッションだったり、面接での不意打ちの質問だったり、
「こんなの就活が終わったら役に立たないんじゃ・・・」と思うような就活ならではの知識やスキルが必要で、ただでさえ忙しいのに、萎えそうになるかもしれません。
私も、「こんなの後々役に立たないだろ!」と思っていた口なので、気持ちはわかります。
けれど、就職活動は将来の自分の道を決めるために通らねばならないことで、多くの企業が同じような形態を取っている以上、スタートラインに立つためにも一通り学んでおくことは必要だと思います。熟練になりすぎるのも「この人、内定出てないのかな。やけに慣れてる」と思われることに繋がらないとも言えないので、難しいところですが、知っているのといないのとでは全然違います。
ですから、筆記試験の対策や、グループディスカッション、それから技術職によくある「技術面接」のための対策など、できることはなんでもやっておきましょう。
そしてこれが一番大切なこと。
理系の強みは、粘り強さだったり、論理的に物事を見る鋭さだと私は思っています。実際、私が勤務していたIT企業ではそういったところを高く評価していました。
理系ならではの良さを最大限に活かせるように面接での受け答えやエントリーシートを工夫してみてください。
理系にしかない持ち味がきっと武器になっていくはずです。頑張ってくださいね。

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4.できることは全部しておこう

会社のみなで飲み会があったときのことです。
理系の方同士がなにやら盛り上がっていて、お話に混ぜてもらったのですが・・・。
「Aくん、電気工学科なんだ」
「そうそう。プログラミングの方が面白くてこっち来たけど。Bくんは?」
「素粒子学。あんまりそっち方面で就職なくてね~」
素粒子ってあの分子をさらに細かくして最後に残るやつだったはず、くらいしか私にはわからなかったのですがそれを聞いていて少し驚きました。
ITと素粒子だと全然違うと思えたからです。
でも話を聞くと、素粒子学といっても授業でプログラミングを習うこともあるらしく。まったくの分野違いということもないとのこと。
さらに話を聞いてみると、理系の学部を出ていながら、研究とかかわりがないどころか、普通に商社や、金融業界へ行く方も多いそうです。理系の持つ論理的思考能力を高く買っている企業は多いようで、技術職でなくても活躍の場が多いのも理系の強みだとか。
なので、就活をする際は「自分はこれを研究してきたからこれしかできない」などと思わず、合同説明会にも積極的に参加し、いろいろな業界の情報を得て応募先を吟味するとよいかと思います。

2019/05/28

文系学生のための失敗しない就活法