就活コラム

新卒社員の離職率を低下させる対策とは

2019/02/07

Column

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1.社内のコミュニケーションを活発にする

新卒社員の離職率を下げるためには、より良い環境づくりをしていくことが必要不可欠です。

社内のコミュニケーションを活発化することで、社員がやりがいを感じ、長く働ける環境づくりをしている企業の例を紹介します。

まず最初に、私が在籍していた航空業界での取り組みを紹介します。

ANAでは「褒める文化」を推進しており、「がんばる→褒める→がんばる」のサイクルを回していくために効果的な「グッドジョブ・カード」の取り組みがあります。

これは、お互いの仕事のよいところや、感謝や励ます気持ちなどを「グッドジョブ・カード」に書いて贈るというものです。

 

例えば、フライト中に気づいた相手の良い仕事ぶり(グッドジョブ)を休憩時間にカードに書いておき、所属の空港に戻ってきた際のミーティング時に直接本人に渡します。

その際は客室乗務員だけでなく、周囲にいる社員にも集まってもらい、拍手で祝うということを実践しています。

その他に、人材派遣会社のビースタイルでは、社内のコミュニケーションを改善することで20%だった離職率を8%にまで改善しました。

具体的には、バリューズアワードと呼ばれる、社員同士がお互いへの感謝の気持ちを伝える制度や、1 ON 1といった管理職と社員が1対1で面談をする施策を行うことで、社員同士がお互いの仕事に興味を持ち、社内の雰囲気が良くなった結果、離職率の改善に繋がりました。

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2.従業員のストレスチェック実施や会社施設の利用促進

2015年12月より、労働者が50人以上いる企業は年に1回ストレスチェックを行うことが義務づけられています。

人間関係が悪い企業は、離職率が高く、従業がストレス過多の状態だといわれています。

離職率を低下させるための方法として、社員の心理を会社側が定期的に把握しておく必要があります。

高ストレス者を会社側が把握するためにストレスチェックを行い、メンタルヘルス不調を事前に防止することで、働きやすい職場の環境作りができることを目的に、定期的な面談などを実施している企業が近年、増えてきています。

その他に、積極的に会社施設を利用していくことも会社側が推奨しています。例えば、会社施設を使ってスポーツをする機会があると、他部署の方との交流ができたり仕事以外でのつながりができ、仕事の意欲が上がるきっかけとなるケースもあるようです。

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3.採用段階でのミスマッチをなくす取り組み

給与が少ない、長時間労働や低賃金などの要因が早期離職の理由の一つになっています。

しかし、就職説明会やセミナーの際に、就業条件について学生へきちんと説明をすることで、早期離職は防止することが可能です。

私の担当していた大学生の方で、就職後、あこがれの業界へ入ったは良いものの、給与の低さに愕然として一人暮らしができない程、困窮し、わずか半年で故郷に帰ってきたというケースがあります。

また、給与面だけでなく適性の面でも、会社側は様々な工夫をして離職率を下げる取り組みをしています。

面接という限られた時間では、会社にとって良い人だと思って採用しても、応募者が入社後に退職に至るほど仕事へのギャップを感じてしまうという事は多々あります。

防御策として、お互いにとってイメージがわきやすい取り組みとして、インターン、アルバイトなどで実際に業務を行ってもらうことを推奨する動きがあります。

その他に、動画配信サイトの「ネットフリックス」では、面接時の質問に、興味や何に情熱を注いでいるのかなど、その人の価値観や人間性などを確認し、ミスマッチを防ぐために面接回数は4~5回と、多く設けているそうです。

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4.まとめ

離職率が上がると、会社側にとってもデメリットが多く、求人コストや教育コストがかかるだけでなく、会社そのものの成長にも関わる重要事項です。

社員にとって働きやすい環境を作り出すことが鍵となります。

今回、ご紹介した会社の事例を見ても、会社の意識を改革して努力すれば、離職率の改善は可能となっています。

就職活動をする時には、離職率低下のために早期的な対策と積極的な働きかけをしている会社に注目することも大切です。

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