1.企業が志望動機を求める理由
まず、志望動機を企業が聞くことの目的を考えてみましょう。
志望動機とはすなわち、あなたが企業に期待することです。
しかし、企業側があなたに期待することと志望動機が食い違っているとミスマッチが起こります。
新卒が即戦力にならないことは誰でも理解できるでしょう。
新卒の社員が一人前になるには少なくとも3年はかかると言われています。
それまでは企業は新卒に先行投資をしている状態なのです。
それが、これから今までの分を還元してもらおうという時に新卒が辞めることは非常な損失です。
企業としては無駄に新卒を育てたくないというのが本音ですし、早期退職をなんとしても防ぎたいのです。
志望動機を聞くことは、あらかじめそのような事態を防ぐ意味があります。
ミスマッチは企業側とあなたの方向性が違うことで起こります。
ですから、まずは自分が将来どのようなキャリアビジョンを持っているのかを明確にしておく必要があります。
この作業は、社会人となったあとでも非常に重要になってくるので、おろそかにしない方がいいでしょう。
方法としては、自己分析、他己分析などでむいている仕事、自分の特性をしっかり把握し、どのように自分が将来なっていきたいのか、仕事の上での夢をはっきりしておくことです。
その上で、企業の現在の理念、将来のビジョンをきちんと理解しましょう。
そこが一致していれば迷う必要はありません。
ESでも面接でも、企業の理念やビジョンと自分の夢がいかに一致しているかを述べればいいのです。
しかし、そこがどうも違うようだな、と思うようであれば、たとえ第一志望の企業であっても考え直す必要があります。
仕事は人生の多くの時間を費やすものです。
その仕事の方向性が自分と違っているようであれば、いずれ耐えられなくなるのは目に見えています。
逆に自分の方向性と企業のビジョンが一緒であれば、多少大変な仕事でも、乗り切れるものなのです。
現在の就活の現場は売り手市場となっています。
それほど焦らなくとも、あなたに合う仕事はきっとどこかにあるでしょう。
どこでもいいからといって就職すると、結局は企業にとってもあなたにとっても時間の無駄ということになりかねません。
会社選びは慎重にし、自分の志望動機と矛盾しない企業を選びましょう。