1.新卒採用見直しによって変わること
今回の新卒採用見直しで問題となっているのが前項でも述べた「就職活動長期化」です。
確かにスタートがはっきりしない以上、早めに活動は開始しなければならないし、内定が出なければいつまでも続けなければならないし、まるで無限地獄のようにも・・・。
しかも就活に時間を使う、ということは学業に充てられるべき時間にしわ寄せがいく可能性にも繋がります。
この部分を危惧して今回の新卒採用見直しに反対している大学も少なくありません。
4年生の前半は就活に忙しいから、と大学側も配慮してカリキュラムを組んでいることから考えれば、いつから始まっていつ終わるともしれない就活を考慮するなんて、正直無理がありますものね。
就活生の皆さんにとっても悩ましいところだと思います。
けれど、就活にばかり力を入れている学生を企業側ははたして採用したいものなのか。
実際のところ、面接にて「学生生活の中で、もっとも力を入れたことは?」や「もっとも感動した体験は?」などと言った経験にまつわる質問をよくされます。
これは体験から得た教訓やスキルを就活生が持っているかどうか、あるいは他者とは違う信念を持って行動ができるかなど、内面を判断するためにされる質問です。
なのに、就活しかしていなくて特に言えるようなことがない!となると本末転倒になってしまいます。
まして、就活に時間を取られ過ぎたばかりに単位が足りなくなり卒業できないとなると、せっかく内定がもらえても取り消されることもあり得ますし、仮に次の年の入社が許されたとしても、そもそも卒業できないような事態に陥るようでは、実際に入社をしても、本来やるべき仕事がおざなりになり、大きなミスをしてしまうのではないか、と企業側に不安を抱かれてしまう結果にもなりかねません。
学生は学業が本分、なんて古臭く聞こえるかもしれませんが、企業側が求めるのはきちんとやるべきことをやり、学んできたことを自分の力にしてきた人材だと私は思います。
ですので、就活に時間が・・・と思われるかもしれませんが、学業も就活のうち、と考え、学業と就活のバランスが逆転することのないよう、自分の中で効率的に時間を工面することが成功の秘訣ではないでしょうか。