就活コラム

新卒採用見直し!就活生が対策すべきこととは?

2019/03/07

Column

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1.新卒採用見直しによって変わること

今回の新卒採用見直しで問題となっているのが前項でも述べた「就職活動長期化」です。

確かにスタートがはっきりしない以上、早めに活動は開始しなければならないし、内定が出なければいつまでも続けなければならないし、まるで無限地獄のようにも・・・。

しかも就活に時間を使う、ということは学業に充てられるべき時間にしわ寄せがいく可能性にも繋がります。

この部分を危惧して今回の新卒採用見直しに反対している大学も少なくありません。

4年生の前半は就活に忙しいから、と大学側も配慮してカリキュラムを組んでいることから考えれば、いつから始まっていつ終わるともしれない就活を考慮するなんて、正直無理がありますものね。

就活生の皆さんにとっても悩ましいところだと思います。

けれど、就活にばかり力を入れている学生を企業側ははたして採用したいものなのか。

実際のところ、面接にて「学生生活の中で、もっとも力を入れたことは?」や「もっとも感動した体験は?」などと言った経験にまつわる質問をよくされます。

これは体験から得た教訓やスキルを就活生が持っているかどうか、あるいは他者とは違う信念を持って行動ができるかなど、内面を判断するためにされる質問です。

なのに、就活しかしていなくて特に言えるようなことがない!となると本末転倒になってしまいます。

まして、就活に時間を取られ過ぎたばかりに単位が足りなくなり卒業できないとなると、せっかく内定がもらえても取り消されることもあり得ますし、仮に次の年の入社が許されたとしても、そもそも卒業できないような事態に陥るようでは、実際に入社をしても、本来やるべき仕事がおざなりになり、大きなミスをしてしまうのではないか、と企業側に不安を抱かれてしまう結果にもなりかねません。

学生は学業が本分、なんて古臭く聞こえるかもしれませんが、企業側が求めるのはきちんとやるべきことをやり、学んできたことを自分の力にしてきた人材だと私は思います。

ですので、就活に時間が・・・と思われるかもしれませんが、学業も就活のうち、と考え、学業と就活のバランスが逆転することのないよう、自分の中で効率的に時間を工面することが成功の秘訣ではないでしょうか。

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2.新卒採用見直しで採用が早まる会社も?情報収集は念入りに!

ここまでで、

  • 「個性を磨く必要あり」
  • 「早期化が予想されるので着手早めに」
  • 「学業と就活のバランスをコントロールすること」

とお伝えしてきましたが、最後にもう一つお伝えしたいと思います。

それは「新卒採用見直しをプラスに捉えよう」です。

新卒採用見直しが本格化すれば、就活の早期、長期化は考えられます。これは就活生にとって負担になることです。

大学に入ってすぐ、将来どの会社に入るのか考えねばんなりませんし、内定をもらえた後も「この会社でいいかな。もう少しやってみようかな」と就活を切り上げるタイミングをずるずる伸ばしてしまって、大学生活ほぼ就活一色だった、なんてことにもなりかねませんからね。

しかし、逆に考えてみれば、就活時期が長い、ということは、終わるのも遅いということです。

現状だと、あっという間に募集が終わってしまい、残っている企業がない、という事態になりやすかったのが、募集時期が限定されなくなったことにより、他社の内定辞退者を囲い込むため、優良企業でありながら長期的に募集を続けている企業も出てきます。

つまり期間による縛りがなくなったということなのです。

「本当なら短期留学しに行きたかったけど、就活が・・・」というように期間に縛られてスケジュールをずらす、という決断をしなくて良くなるわけです。

これは就活生にとってかなり有利な状態とも言えるでしょう。

逆に就活の早期化を逆手に取り「さっさと就活して内定決めて、後は学生生活を楽しみたい」と思われるのであれば、早いうちから募集をかけている企業にターゲットを絞って就活することで、時間を手に入れることも可能です。

考えようによっては自分らしく時間を使うことがしやすくなる、と言えるわけです。

もちろん狙っている企業の募集スケジュールにもよるので一概には言えませんが、少なくとも「会社説明会の日程かぶっててこことここの会社、両方は行けない・・・」というようなダブルブッキングは減り、多くの企業に触れる機会はこれまでより増えるのではないかと思われます。

ただ、その機会をものにできるかどうかは、就活生自身のスケジュール能力にかかっています。

これまでの就活ルールにおいては、「3月1日から募集開始」や、「6月1日より選考」というように経団連による号令が存在しました。

しかし、新卒採用の見直しがされれば、その号令はなくなります。

号令がない、ということは活動開始の時期を自分で決めて動かなければならないということなのです。

これまで以上に自分主導での活動が大切になってくるわけですね。

自分はどんな企業に行きたいのか、どんな道を将来歩きたいのか。 新卒採用の見直しが行われた後の大学生活において、これをどれだけ真剣に考えたかどうかが、今後のカギとなるのではないでしょうか。

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3.単位を落として内定取り消し?!新卒採用見直しに振り回されず学業もしっかりと!

前項で、新卒採用見直しにより、企業の給与体系にも変化が訪れる可能性をお伝えしましたが、もっと身近な部分で考えた場合悩むのは、 「就活をいつからスタートするのが正しいのかわからなくなる」 という部分かもしれません。

就活生側もそう思っていますが、企業側もここは悩みどころでしょう。

経団連の定めた就活ルールに準じているのは経団連に加盟している1300強の企業であり、それ以外の外資系企業や、ベンチャー企業などにおいてはこの就活ルールは適用されていません。

また、経団連に加盟していながら、就活ルールに準じていない企業もありますので、意外と混乱は少ないかも?とも思われるかもしれません。

中小企業などは経団連に加盟している企業の採用が終わったころから採用を始め、零れた学生を獲得するという動きを取るケースがあります。

就活ルールがなくなり新卒採用見直しとなると、いつから採用をスタートさせていいのか判断が難しくなります。

企業が募集タイミングに悩むということは、就活生側もいつどの企業が募集を開始するか見極めにくくなるため、長期的なウォッチングが必須となります。

つまり就職活動が長期化する可能性が出てくるということです。

とはいえ、企業側からすれば、手早く採用を終えてしまいたい、というのがやっぱり本音であるため、おおむね募集活動は早まる傾向にあるのではないか、と考えられます。

ですので就活対策をするとすれば、まず自分がどんな業種に進みたいと考えているのか、自分にはなにができるのかと言った自分の棚卸を、少し早いかなと思っても、大学2年のころから始めるようにしておくと良いのではないかと思います。

そのうえで、興味がある企業のホームページについては定期的にチェックするなど、情報収集に早々に取り掛かっておくとよいでしょう。

「情報を制するものは就活を制す」という言葉を聞いたことがありますが、今後はこの言葉が生きてくる状況になっていくと予想されます。

一番辛いのは「目当ての企業があったけど、募集が終わっている」という絶望感ですからそうならないよう、就活サイトやOBOG訪問など、広い情報源から情報を集めるようにしてください。

また、これからの動きとして、インターンシップに力を入れる企業がますます増えるのではないかとも考えられます。

早く優秀な学生を囲い込みたい、他の企業を受ける前に選んでほしい、という思いが企業側には今まで以上に働くためです。

本来、インターンシップはあくまで企業の実務体験という位置づけですが、企業側がインターンシップに重きを置き始めていることを考えると、積極的に参加をしておく方が安全だと思います。

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4.新卒採用見直しをプラスに捉えよう

「現行の就活ルールを廃止」 今年、就活生を一番驚かせたニュースは経団連中西宏明会長から飛び出したこの提案でしょう。

現行の就活ルールにおいては、大学3年の3月に会社説明会など採用に関する広報を解禁し、大学4年の6月より選考開始というのが定められています。 

突然のルール廃止により混乱も予想されるため、今後の就活ルール運営については政府が音頭を取って行うとのことです。

2021年春入社、つまり現在の大学2年生までは、現行のルールが適用、2022年以降についても当面は現行ルールを継続の方向で進んでいるようですが、将来的には廃止される見込みのようです。

就活ルールが廃止となれば、これまで型にはまって行われていた新卒採用のやり方が見直されることとなり採用のあり方自体が大きく変わっていくことが考えられます。

実際、新卒採用の見直しに伴い、なにが変わるのか。

おそらく、これまで以上に「優秀な人材であること」を企業側は求めるようになるると私は思っています。

なぜなら、このまま新卒採用見直しが進めば、日本にも欧米のような給与体系が広がることが考えられるためです。

そもそも、日本においてスタンダードな一括採用は、海外ではあまり例を見ません。

欧米の大学では、日本のように在学中に就職活動に多大な時間を使うことはなく、大学卒業後に就職活動をすることが一般的で、日本の大学生が就活に割く時間を、欧米の学生は勉学に費やします。

今回、就活ルールが廃止されることとなった背景にはこの「勉強量」が大きく関係しています。

勉強をたくさんしたから優秀か、と言うとそうとも言い切れない部分ではありますが、一つのことに打ち込み、勉学を修める気質には企業としても魅力を感じるものです。

欧米ではそんな優秀な学生に対し、その能力に見合った報酬額が提示されます。

しかし、日本ではいかに優秀な学生であろうと、同期同士に給与額の差がありません。

個人に対して価値をつけるのではなく、一律で給与額が固定されています。

給与額のアップは年齢を経るごと、いわゆる年功賃金で決定される、それが日本のこれまでのスタイルだったのです。

ですが、転職が珍しくなくなったこの頃、年功賃金の形も崩れ始めています。

新卒採用における一括採用は、この年功賃金の形に寄り添えるように生み出された採用方法のため、終身雇用が失われつつある現代において、新卒採用の形だけが残るのはあまりにも時代にそぐわない、ということで、今回の廃止の流れに至ったわけですね。

つまり、優秀な人材には新卒だろうとそれに見合った賃金を支払うという企業が、このまま新卒採用見直しが進めば増加していくことも考えられるため、就活生がすべき対策としては、自身の価値を企業に効果的にプレゼンできるよう、己を今以上に高めることであると言えるわけです。

2019/03/05

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