就活コラム

中途採用の面接に対する傾向と対策【人間編】

2020/09/30

Column

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1.仕事における能力や姿勢を確認する質問

実はこれに対する回答の相談が非常に多いです。例えば、独身女性に対して「結婚の予定はあるか」、新婚の女性には「出産の予定はあるか」といった質問です。セクハラのようにも取れる質問ですが、これは変な意味があるわけではなく、「採用したいけど結婚や出産で直ぐに辞められても困る。実際どうなんだろう」という意図から出た質問なのです。同じ様に、退職理由が家族介護や体調不良だった場合も、それを理由に直ぐに辞めないか、との懸念から「今は大丈夫なのですか」と質問されます。

 

こうした質問に対しては、問題無いのであればハッキリと「大丈夫です」と回答するしかありません。ポイントとしては「嫌なことを聞くなぁ」ではなく「これを乗り切れば合格という意思表示だ」くらいに考えて力強く返答することです。こうした質問をする背景としては、採用に関して経費を掛けるようになったことが要因として考えられます。

 

2000年以降転職支援会社を活用して募集を行うケースが増えていますが、これには結構な費用が掛かります。そこで採用した人が短期間で辞められたのではたまったものではありません。そのため「出来るだけ長く働いてもらえそうな人」というのが条件となってきているのです。

 

この他にも転職回数が多い、前職退職からブランクがあるといった場合にも理由を問われます。これも下手に取り繕おうとせずに正直に事実を述べ、ただこれからは違う!という意欲をしっかりと訴えることが重要となります。

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2.人物面を把握するための質問

新卒か中途かに関わらず、新たに迎え入れようとする人物が職場に馴染みそうかどうかは最大の懸念事項です。職場に合わないからと直ぐに辞められては大損害ですし、逆に雰囲気を混乱させられても困ります。そのため、応募者の価値観や特性を把握することは、ある意味面接の最大の目的であるとも言えるでしょう。

 

具体的には「自己PRをしてください」「自覚している長所と短所を教えてください」「仕事でやりがいを感じる時はどんな時ですか」「転職先を選ぶ基準は何ですか」といった質問です。こうした質問は、かつては形式的に用いられていたのですが2000年以降しっかり確認する目的で問われるようになっています。それだけ個人の価値観が多様化して些細なことから職場の雰囲気に影響を及ぼすケースが増えていることが要因のようです。

 

これに対する回答は、正直に伝えていいものと表現を工夫した方がいいものがあります。いくら個人の価値観とはいえあまりに常識から外れたような考え方は敬遠されてしまうので、第三者に確認してもらいながら回答の準備をするのがいいでしょう。

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3.個別の事情に伴う確認質問

これは中途採用であれば当然聞かれる質問です。「前職では〇〇を担当していたということですが、もう少し詳しく教えてください」「具体的にどのような成果を挙げましたか。また、その成果を挙げられた要因は何だと考えますか」「最も大きなトラブルはどのようなものでしたか。また、それをどのように解決しましたか」などが代表的な聞き方です。

 

この場合のポイントは、具体性を持たせるため数値を用いた説明をすることです。「前任者より売り上げをアップさせました」ではなく「30%アップさせました」、「時間を短縮させました」ではなく「5時間掛かっていた作業を3時間に短縮させました」といった具合です。ただし、数値は裏を取られることはありませんからアバウトでも構いません。

 

また30代以降になればマネジメント経験も問われます。部下を育成した経験や、小規模でも組織の長を務めたことがあるならば、大切なアピールポイントなので整理しておきましょう。特に職務経歴書というものが求められるようになったここ10年ほどで、こうした能力や実績に関する質問は詳しく問われるようになって来ています。

 

こうした過去の経験とは逆に、将来についての質問をされることもあります。「この会社で何を成し遂げたいですか」「この業界の将来展望はどう考えていますか」という質問です。そんなことまで考えていない、というのが本音かもしれませんが、答えられないようでは「学生以下」との評価をされてしまいます。面倒がらずに回答を準備しておきましょう。

2020/09/24

中途採用の面接に対する傾向と対策【基本・環境編】