就活コラム

就活生も財務分析?誰でもできる簡単な数字の見方

2020/11/25

Column

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1. 年商100億の若手社長は本当に凄いのか

前章で、利益率に注目すべきことはわかりました。しかし、どの利益率を見れば良いのでしょうか。私が勧めるのは営業利益率です。営業利益率とは、企業が上げた売上のうち、本業で稼いだ利益の割合を表します。
本業による利益なので、投資による収益や資産の売却などの、副業や一時的な利益が除かれており、企業の本当の力を測ることができます。

例えば、年間給与600万の公務員と今年たまたま宝くじで1000万稼いだフリーター。どちらと結婚したいでしょうか。たとえ今年の年収はフリーターが上回っていても、将来のことを考え、公務員と答える人が多いはずです。
会社の利益というと純利益を考える人が多いと思いますが、これでは一時的に大きな利益を上げた会社を選びかねません。利益の質にも着目し、その利益がこのさきずっと続いていくか注意を払いましょう。

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2. どっちを選ぶ?年収600万の公務員 VS. 宝くじで1000万稼いだフリーター

数字を見る上で、2つの視点があります。それが規模と割合です。規模は売上や時価総額などの、単純な数字の大きさで、割合は売上高利益率などある基準に対する比率を示します。皆さんは規模だけを見て、企業選びを行ってはいないでしょうか?確かに規模が大きければ知名度が高く、安心して働けそうです。しかし誰もが知る有名企業も凋落する現代において、それだけで企業を選ぶのは危険です。

規模と割合は野球の打席数と打率で考えるとわかりやすいです。いくら多くの打席に立っていても、打率が低ければよい選手とは言えません。むしろ打席が少なくても打率の高い選手の方が、優秀な可能性が高いと考えるのではないでしょうか。

同じように、いくら売上が大きくても、利益率が小さければ、上手く企業活動を行えているとは言えません。テレビなどで、年商100億の若手社長などが出てくると、凄いなと感じる方もいるかと思いますが、これはあくまでも商いの規模の大きさ。規模に対して実際にどれくらい利益が出ているのかが重要です。そしてその割合を規模の違う全ての企業と比べることができるのが、利益率なのです。

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3. 誰でも簡単にできる!営業利益を知る方法

それでは実際に会社の営業利益率を確認してみましょう。「会社名 決算短信」と打ち込めば、上場企業や大企業であれば出てくるでしょう。そこの損益計算書という欄から売上高と営業利益の数字を見つけ、営業利益÷売上高×100をして計算したものが営業利益率です。5%を超えれば優良と言われていますが、業種によっても異なりますので、同業他社と比べたり、数年前からどのように推移しているのか見ると会社の業界内立ち位置などが見えてきて、面白いです。非上場企業では決算書を公開していないところもありますから、その場合は人事の人に聞いてみましょう。数値が良い場合は喜んで答えてくれます。

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4. 会計は嘘をつけない

今回紹介したのは、営業利益率という会計数値の中の1つだけです。これだけで、会計数値をマスターしたとは言えません。財務分析の手法には今回紹介した営業利益率をはじめとした収益性分析や成長性分析、安全性分析があります。いかに安全だと人事が言ったところで、借金が大量にあって資金繰りに困っていれば、嘘だと分かります。つまり会計は、企業が本当は発表したくないような情報もごまかすことが難しい、情報の宝庫なのです。

しかし、会計を利用しない学生がとても多いように思います。商学部や経済学部以外の学生は、なかなかとっつきにくい分野かもしれませんが、まだ就活解禁まで時間のある今だからこそ、簡単な財務分析をできるくらいには勉強しておきましょう。

2020/11/10

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