就活コラム

就職四季報とは?情報内容と就活での活用方法

2021/04/13

Column

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1.就職四季報にはこんな情報が載っている!

企業分析も大切ですが、この企業はどんな人材を求めているのか、また面接ではどんなことを聞かれるのか、気になりますよね。 就職四季報にはその情報も載っています。

各企業ページの「エントリー情報と採用プロセス」にです。

ここにはエントリー開始時期、内定までのプロセス(例:WEBテスト→ES→グループディスカッション→人事面接→最終面接)が記されているほか、選考において重要視する課目が記載されています。

一番多いのは「面接」という記載ですが、技術職の場合課題提出が課されていて「作品」が重視課目になっている企業もあります。

技術職は即戦力で配属されることも多いですから当然かもしれませんね。

そのほか「選考ポイント」および「求める人材」の項目にて、どの部分を一番重視するか、どんな人をほしいと思っているかの記述もあります。

一般的な文言だと、

  • 「コミュニケーション能力がある人」
  • 「チャレンジ精神がある人」
  • 「学生時代に熱中したこと」
  • 「自動車がとにかく好きな人」
  • 「世界で勝ち抜く行動力のある人材」

と言った記述も見られることから、この部分には企業の個性が色濃く表れているように思います。

ですので、その企業を知りたいと思ったら、「選考ポイント」「求める人材」をよくよく見て、面接に臨むと良いかと思います。

また、エントリーシートやグループディスカッション、論作文での過去のテーマがまとめられたページもあります。

こちらは過去のものなので、今年も同じとは限りませんが、そもそも企業が就活生に求める部分を測れるようなテーマに毎年なることを考えると、今年も似たテーマになると予想されます。

ですのでES、GD、論作文の練習に過去問として利用するのも就活対策として効果的活用法でしょう。

なお、ES、筆記試験の通貨率の記載も就職四季報には情報があり、総合倍率についても調べられています。

2020年総合版を確認すると、この部分について公表していない企業も多いので、あまりこれに左右されるのもどうかとは思いますが、注意したいのはエントリーシートの通過率が高い、あるいは「選考なし」の記載がある企業についてです。

これらの企業は基本的に入口が広いので一見応募しやすそうに見えますが、この記載は筆記試験や面接をなにより重視しているということの表れです。

人数が集まりやすいからこそ、競争は激化する可能性もありますので覚悟して臨むべきでしょう。

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2.一点集中か、多角的分析かで使い方が変わる?

自分自身の話になりますが、就活を始めたばかりのころ、

  • どんな業界に行くのがよいのか
  • 業界によって待遇の差はどれほどあるのか
  • 同じ業界であっても福利厚生がよりしっかりした企業に行きたい
  • でも企業同士を比較した書籍がない

という悩みがありました。

ですが、この就職四季報においてはこの就活始めたての学生の疑問を解消してくれるようなデータが載っています。

たとえば、 業種別有休所得日数の平均 →業界、および業種ごとに有休をどれくらい一年間に取得できているのかが一目でわかるように一覧で示されています。  

例:

  • マスコミ・メディア10.1日 (内訳:テレビ13.9日、広告8.1日 etc)    
  • 金融12.7日(内訳:銀行11.7日、共済13.8日 etc)

そのほかにも、「残業時間平均」「3年後離職率」も各業界で比較が可能となっています。

業界を超えて「年収トップ100社」「採用人数トップ100社」といったランキングも載せられています。

どの業界、と決めかねていたとしても

「できれば長く働ける環境が良い」

「有休がとりやすく、プライベートを充実させたい」

など、働き方についての希望はあるかと思います。

そんなとき、こちらのデータを参考に業界を絞っていくのも一つのやり方ではないでしょうか。

また「業界はある程度絞ったけれど、この業界での平均年収はどれくらいなのか」や「ちょっといいな、と思った会社とこの業界のトップと言われる企業との間にはどれくらいの差があるものなのか」など、気になる年収や有休取得、残業時間や3年後離職率を見やすく並べた比較データも掲載されています。

もっともこの比較データは、掲載されているすべての会社を比較したものではありません。

主要企業のみのデータではありますが、このデータを見ることで、目当ての業界における最高峰や、平均はどれほどなのかの感覚がつかめるようになります。

すでに行きたい企業が決まっていれば、各企業ページを確認、 まだ業界がしぼれていない、あるいは業界はしぼれたけれど業界全体の実状を知りたい場合は、比較ページを確認する、 というように、就職四季報は就活生の状況によって使い方を一点集中か、多角的視点か、に使い分けることが可能と言えるわけなのです。

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3.面接、試験対策にも活用可能

就職四季報と一括りにお話しましたが、

  • 就職四季報には技術職や総合職向けの「総合版」
  • 一般職、女子向けの職種をまとめた「女子版」
  • 大手ではないけれど勢いのある中小企業を集めた「優良中堅企業版」

といった種類があります。

自分が働きたいと思える職種に特化した四季報を選択して、就活に役立ててもらいたいと思います。

さてさて、そんな就職四季報ですが、実際に手に取ってみると、情報量のわりに大変コンパクトな書籍であることにまず驚かされます。

これなら鞄にすっと入るので持ち歩くのもそれほど苦ではないと思われます。

しかし、ページを開いて見ると実にぎっしりとそれこそ、辞書のごとく情報が詰め込まれています。

まず、書籍の大半のページは企業ごとの情報ページです。1ページに1つから2つの企業が掲載されています。(総合版の場合)

以下に、各企業のページにおいて掲載されている情報項目を書きだしてみました。

  • 会社名
  • 株式上場の有無/今後の見通し
  • エントリー情報/採用プロセス  →エントリー開始時期、面接回数、試験の傾向など
  • 男女別採用数、配属先データ →社員の主要出身大学、過去配属先など
  • 修士
  • 大卒採用数
  • 3年後離職率
  • 有給取得年平均
  • 平均年収
  • 残業時間/月 残業手当金額
  • 給与、ボーナス、週休、有休ほか
  • 従業員数、勤続年数、離職率
  • ここ3年の業績 →営業利益(本業においての利益)と経常利益(営業利益+営業外利益-営業外費用)の推移も確認可能。経常利益の安定している企業は経営が安定していると言われている。
  • 記者による評価コメント  →現在、企業が精力的に取り組んでいる事業や、今後の展望が端的に記載されている

ざっと挙げただけでこれだけの情報が一企業について記載されています。

しかも就職四季報は就活生がほしいと思う情報を、をコンセプトに編集されているため、企業側からの宣伝、つまり良く見せるためにちょっと盛っている、というような情報ではない、リアルな情報が掲載されているのが特徴です。

もっとも、各企業によって見せていい部分と見せにくい部分はあるため、企業からの回答が得られなかった部分については「NA」(ノーアンサー)と記載、あるいは該当するデータ自体が存在しない場合には「ND」と記されています。

企業として回答しにくい離職率や、残業の実態などが「NA」ではなく、積極的に開示しているような企業であれば、風通しが期待できそうですのでその辺りも判断基準の一つにしてみると良いかもしれません。

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4.就職四季報はあくまで指針としてとらえて

就活生それぞれの現状に応える形で編集されているのが、就職四季報の最大の魅力です。

なので、 「地元で働きたい」 「海外勤務が多い世界を飛び回れるような仕事がしたい」などと言った希望から企業を選ぶこともできるよう、索引にも「地域別索引」「海外勤務情報」といった形のものが設けられています。

(総合版にて) これだったら、膨大な企業データの中から躍起になって探さずとも、「北海道の企業はこれだけあるのか!」というようにすぐ見つけ出せ、就活も随分効率的になります。

就活生の知りたい情報を集めた、という就職四季報の編集コンセプトがここにも強く感じられますね。

それにしても、今回就職四季報について考えていてつくづく思ったのは、

  • 「自分がどんなことに興味があるのか」
  • 「働くならなにを優先したいのか」
  • 「譲れないものはなにか」

と言った自分自身の希望を棚卸しながら利用するのに就職四季報は本当に適しているな、という点です。

希望があれば、それをきっかけに一層企業研究が深められますし、データ分析の過程で「あれ、自分は金融ばかり見ていたけれど、メーカーにも良い企業が多いのでは」というように思わぬ可能性にも気づきやすいからです。

ですが、就職四季報を就活に役立てる上で、覚えておいていただきたいこともあります。

それは、就職四季報は企業分析のツールの一つでしかない、ということです。

年収トップ100にランクインしている会社が、あなたにとって必ずしも働きやすい会社とは限りません。

誰もが名前を知っている大企業が必ずしも優良企業と言い切れないのと同じように、一つのデータですべてを考えることはとても危険なことなのです。

また、編集された当時はそうだったことも、時間が経つと変わることもあります。

就職四季報にも補足がありましたが、株式上場はしていない、と就職四季報にあったとしても、面接が始まるころには上場予定となっているということもあり得ます。

ですのでここにあるデータを鵜呑みにするのではなく、並行して企業ホームページやOBOG訪問などで最新の情報を収集するようにしていただけたらと思います。

2021/04/06

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