就活コラム

【就活】フェルミ推定で求められる能力と対策方法

2021/07/27

Column

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1.フェルミ推定で企業はなにを知りたいのか

「フェルミ推定」は、答えを算出するのが非常に困難な問いに対し、短時間に概算を行うことを言います。

たとえば以下のような問題が多いです。

  • 「世界中で今、寝ている人は何人いるでしょうか?」
  • 「日本に電柱は何本ありますか?」
  • 「スクールバスにゴルフボールはいくつ入りますか?」

「……聞いてどうするんだろう」という問いですね。

正直、私はそう思いました。

 

このフェルミ推定はコンサルティング業界や外資系企業の採用面接にてよく出題されます。

フェルミ推定出題時の絶対的なルールは二つです。

  1. 「決められた時間内に結論を出すこと」
  2. 「自分の持てる知識で結果を導き出すこと」

ますますもって、答えの算出が遠ざかりそうですが、時間内に自分の知識内で結論を出すことは、コンサルのような業種にとっては日常的に必要な能力です。

なぜならクライアントが抱える問題点を即座に判断し、解決に導くのがコンサルであり、問題の把握も解決の糸口も見つからなければコンサルとして仕事を果たしたことにならないためです。

そして、フェルミ推定はそんなコンサルの必須スキル、問題解決を可能にする頭の使い方、いわゆる「知頭力」を測るのに最適な試験なのです。

 

ちなみにコンサルティング業界を引き合いには出していますが、この地頭力を重んじている業界は他にも多々あり、フェルミ推定は多種多様な業界で用いられています。

問題の解決が求められるのはどの業界でも同じであり、よりスピーディーに解決できる新人をどの業界も求めているからこそでしょう。

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2.真実よりも二つの「カテイ」を大切に

フェルミ推定の問いにおいて企業が就活生に聞きたいのは、正確な答えではありません。

たとえば、

「日本に犬は何匹飼われているでしょうか?」
→「わかりません……」

と、本音はこう言いたくなりますが、安心してください。

乱暴に聞こえるかもしれませんが、答えが間違っていたって別に構いません。

なぜなら企業が見たがっているのはその結論に至るまでの二つの「カテイ」であり、極論から言うと二つのカテイさえ押さえていればフェルミ推定は突破できるからです。

 

一つ目のカテイは「仮定」です。

ある問題を、出題者からは情報をまったく与えられない状態で、制限時間内に結論を出さなければなりません。

焦りを感じるかもしれませんが、ここで諦めず問題を解くための取っ掛かりを閃き、ひとまず仮定する、その思い切りの良さを企業は一つのチェックポイントとしています。

結果を出すことを第一に考えるマインドを見られていると思ってもらってよいと思います。

 

二つ目のカテイは「過程」です。

仮定することができても説得力がない結論の出し方では、ただのあてずっぽうに過ぎません。

なぜその結論に至ったのか、具体的な数字を交え明確に説明できる必要があります。

出題者は結論に至った過程が論理的思考に基づくものかどうか、それをチェックしています。

そのため、結論があまりに非常識的であると説明が立派でも評価されないことがありますので、自分の導き出した結論が常識的にあり得なくはないか、冷静な目で確認する作業も必ず行いましょう。

 

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3.例題を解いてみよう

フェルミ推定の例題を解いてみましょう。

【例題】
「日本に犬は何頭飼われているでしょうか?」

ここで注目なのは「飼われている」というワードです。

あくまで家庭で「飼われている犬」であることに着目します。

しかし飼われているといっても、「各家庭でまちまちなんじゃ……」と思いますが、そこを思い切って仮定していきます。

 

日本の世帯数は、おおよそ5400万世帯。=①

そのうち犬を飼っている世帯を15%と仮定。(自宅マンション20世帯中犬保有世帯3世帯なので15%とする)=②

何頭飼っているかは家庭によって違うのでざっくり平均頭数を算出します。

1頭保有世帯がもっとも一般的と思われるので85%。

2頭で10% 3頭で5%。4頭以上は仮定から除外です。

1頭×85%+2頭×10%+3頭5%=1.2頭=③

 

上記の①②③から算出すると、

5400万世帯×15%×1.2頭=972万頭

 

この結果が世帯数より多かったりすると常識的に考えてあり得ないかな、とも考えられますが、これくらいの数字ならあり得そうです。

実際のところ、何頭日本では犬が飼われているのか調べてみたところ、一般社団法人ペットフード協会の平成29年全国犬猫飼育実態調査から892万頭とわかりました。

まあまあ近い数値になりましたね。

フェルミ推定をしていると1桁くらい違う結果が出ることもありますが、そこに至る過程がしっかりしているのであれば、結果がどうなるかはあまり気にしない方が良いと思います。

出題者も答えを知らない問題を出しているケースもありますからね。

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4.フェルミ推定は暗記と繰り返しで攻略できる

就活現場で出題されるフェルミ推定の問題は多岐にわたりますが、問題点の取っ掛かりはどこになるのかをいち早く見極めることが攻略の鍵となります。

前項の例題ならば「世帯数」に着眼することが突破口です。

とはいえ、推論の元となる「世帯数」や「日本の人口」などの知識がない状態ですと、仮説を立てるにも時間がかかってしまいます。

人口数や世帯数、国土面積どについては、事前に知識として頭の中に入れておいた方が良いかと思います。

代表的なところで言うと以下の辺りですね。(※あくまで一例です)

  • 日本の人口 1億2644万人
  • 世界の人口 73億人 
  • 日本の世帯数 5332万世帯
  • 日本の平均寿命 83歳
  • 日本の国土面積 378,000 km²
  • 日本の山間部の割合 全体の4分の3

フェルミ推定において、上記のような数値の暗記は、論理的な説明に根拠を与える重要なものですが、この知識だけあっても結論を導くには足りません。

そのデータを使いこなす頭が必要です。

では、どうしたらその頭は鍛えられるのでしょうか。

答えは、とにもかくにも問題を解きまくることです。

「結局、そこか……」と思われるかもしれませんが、慣れに勝るものはありません。

いくつも問題を解いているうち、日常生活でも推論を立てる癖がついてきます。そうなってくればしめたものです。

見たことのないような問題でも慌てずに仮説を立てられるようになっています。

対策本も出ていますから、フェルミ推定に不安がある方はぜひやってみてくださいね。

2021/07/20

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