就活コラム

一括採用に転機!これまでの採用との違い

2021/06/08

Column

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1.一括採用は恵まれた制度

まず、学生にとっての一括採用のメリットはなんと言ってもたくさんの募集企業が用意されていて、その中から選択できる=就職しやすいということでしょう。

中途採用の場合、インターネット等で自分で検索することからスタートしますが、すぐに希望に合うものが見つかるとは限りません。

やっと自分が求める企業や職種が見つかっても、自分が募集対象に該当していないことも多々あり、なかなか前へ進むことができない場合も少なくないのです。

加えて、日本では「新卒さんWELCOME」という風潮があり、企業説明会が行われたり、面接までの交通費を負担してくれる企業も最近では多く、就活学生たちは手厚く扱われているように思います。

 

また、初めての就活なのに一人ぼっちでする就活はとても孤独なものです。

なので友達や仲間と一緒に企業を訪問して意見を出し合ったり、相談したり、またはお互いの経験を参考にしたり、励ましあったりしましょう。

無事に希望の企業から内定がもらえ、卒業したら即就職です。

学生にとって一括採用は「なくてはならいもの」と言っても過言ではないですし、これと言って大きなデメリットもなく、恵まれた制度と言えるでしょう。

 

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2.企業にとってのメリットとは?

では、企業にとってはどうでしょうか?

学生とは逆の視点からメリットとデメリットについて私の過去の経験に基づいてお話しましょう。

 

一括採用はもちろん企業側にとっても大きなメリットはいくつもあり、その内の一つはやはり良い人材の早期確保でしょう。

若ければ物事の吸収が早く、柔軟性があり、その分成長が早いです。

だから若くて優秀な人材を確保したい、というワケですね。

 

そしてもう一つ、コスト削減も大きなメリットです。

入社後には実務はもちろんのこと学ばなければならないことが山のようにあります。入社するとすぐに就業規則などの総務関連のレクチャーが行われます。

それが終わるといよいよ本格的な実務訓練が始まりますが、独自のシステムを導入している企業も多く、その機能や使用方法を習得し、そこから初めて実務に入るという流れが一般的です。

 

また訓練は業種により数日で完了するものもあれば、1ヶ月以上を要する場合もあります。

もちろんその間は社員としての生産性はゼロです。実務の訓練が終われば次はOJTです。

それも「一人立ちしても大丈夫」と判断されるまで続きます。

プラス、イントラや教材が必要なのでそれらに対してもコストはかかり、新入社員がイチ戦力として活躍し、会社に利益をもたらすようになるまでに莫大な時間と費用がかかるのです。

それを一括採用することにより、教育や訓練の回数を減らすことができる=大幅なコスト削減ができるのです。

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3.メリットは実はデメリット?

そしてもう一つメリットとされていることがあります。

最近では社員のメンタル面での教育にも力を注ぐ企業が増えていますが、日本人が大好きな“仲間意識”や“連帯感”を社員に持たせたがる企業も少なくありません。

それらの意識付けも一括(集団)採用には含まれており、入社直後からこの教育に注力する企業も多くあるようですが、実はこれはとんでもないデメリットにもなり得るのです。

入社後3ヶ月も経つ頃になると

  • 思い描いていた仕事や職場と違う
  • 社内でうまくコミュニケーションがとれない
  • 仕事が辛くて辞めたい

という気持ちを持ち始める新入社員が増えます。

それを乗り越えて、気付いたらベテランになっている人がほとんどでしょうが、中には本当に退職してしまう人もいます。

私が過去に勤めていた航空関連の企業では新入社員が立て続けに退職し、1年後に残ったのは10名中たった2人ということがありました。

仲間意識が強ければ強いほど気持ちが連鎖するもので、特にネガティブな気持ちは影響力が強く、周囲が引っ張られてしまいがちです。

入社から一緒に頑張ってきた仲間が辞めていくと、つい自分も…なんてことになってしまうのではないでしょうか。

このような事例は決して“たまたま”ではなくどの企業にも起こり得ることで、企業は「実は一括採用はデメリットやリスクが大きいかもしれない」ということに気付き始め、一括採用について見直しを始めているようです。

 

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4.「転機」への備えを始めよう

一括採用は”卒業してすぐ就職し収入を得て自立する”と言う観点から見れば一括採用は「良いこと」かもしれません。

しかし学生としてのあるべき姿を考えれば、学業を全うして就活を始めるべきではないでしょうか。

 

一括採用に関していろいろな意見や考え方が最近出てきています。

近い将来日本における学生の就活そのものが見直される、延いては一括採用という仕組み自体もなくなるかもしれない『転機』が間近に迫っていることは確かでしょう。

もしある日突然、一括採用が廃止となっても慌てなくて済むように、これから数年以内に就活を控えている学生たちが今からできること、始めておくべきことはいくつかあります。

①早い時期から将来の夢や進む方向を定めておくこと。

学校を卒業していざ就活を始めることになって「さて、どんな仕事をしようかな~」なんて考えている猶予はありません。

良い条件の仕事を確保するためには人より早い行動は必要不可欠です。

②良い人間関係を築いておくこと。 「情報」は就活をする上でとっても重要なもの。

よりたくさんの情報を収集できるよう友人や先輩との良い関係を築くことも重要です。

③自分の能力や適性を正しく理解すること。

高望みし過ぎたり、または逆に自分の能力より遥かに下に狙いを定めたり、いずれの場合も例え早くに内定がもらえたとしてもやりがいは得られず、結局長続きしません。

自分の能力や強みを最大限に活かすことができる職業に就くためにも、まずは自分自身を知ることが重要です。

就活だけでなくこれからいろんなものが変化し、これまでの当たり前がそうでなくなることがたくさん出てくるでしょう。

でも、どんなことが起こっても慌てず柔軟に対応できるよう社会の動きを良く見て自分にできること、やるべきことを日ごろからシッカリと考えておくことが備えになるのではないでしょうか。

2021/06/01

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