就活コラム

就活は量より質!エントリー数より重要な正しいエントリーの仕方

2021/10/05

Column

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1.数撃てば当たる、は非効率

私が就職活動していたのは、就職氷河期と呼ばれていて、今でいう売り手市場の逆、求人数が就活生より少ない状態のころでした。

そんな状況でしたから、可能性があるのなら自分の希望業界とは異なってもエントリーをしていました。

エントリー100社越えが当たり前の時代だったのです。

しかし、ここ数年はニュースでも言われている通り「売り手市場」、求人数が求職者数を上回る状況が続いています。

ですから、エントリー数100社越えなんて人もそれほどいないかもしれません。

にもかかわらず、就活は質より量、という考え方は消えていません。なぜか。

それはおそらく、売り手市場だからこそ、できるだけよい人材がほしいと企業側も採用にシビアになっているためではないかと思われます。

人材が少ないから誰でもいい、ではなく、少ない中からもできるだけ優秀な人材を見極めたいと考え、採用活動に力を入れる企業が増えてきたためです。

そうなってくると売り手市場だからと言って「何社か受ければ受かるでしょ~」というノリでは受からなくなってきて、必然的にエントリー数が増えてしまう、「数撃てば当たる!」戦法が有効と思われてしまうのです。

しかし、その戦法で果たして希望の内定先を獲得できるのか、と言えば、私は否と答えます。

なぜならその方法では足りていないものが二つあるからです。

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2.「量」重視に足りていないもの~自己分析~

エントリーとは企業への最初の意思表示、とも言える活動だと思いますが、それだけに可能性を広げておこうと闇雲にエントリーされる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし実際のところ、量重視のエントリーは、「うちの会社に入りたいとそれほど思ってないな」と、企業側にも伝わるもので、時間がかかるわりには内定にに繋がりにくい非効率極まりないやり方と言わざるを得ません。

なにより、エントリー数を増やして勝ち取った内定先が働きたい場所かというと、やはり自分が「ここぞ!」と思って入った会社ではないので、どうしても愛着は薄れてしまいます。

そうでなくても入社三年目までに転職を考える方も多いそうですから、愛着のない会社に入社を決めてしまうと、入社早々、今後の人生設計に迷ってしまうことにもなりかねません。

「そんなこと言っても一個も内定取れないと困るもの」と言う声が聞こえてきそうですが、ここで改めて私は言いたいと思います。

内定をもらうためではなく、これから先、どう働いていくかを決める大事なこと、それが就活です。

先のことはわかりません。

けれど入社した後、後悔するような就活にはしてほしくないのです。

「人が想像できることは、必ず人が実現できる」という格言もありますが、自分がどう働きたいビジョンさえきっちり持ってそれを貫けば、結果はついてくるものと私は信じています。

量による安心よりも、質に裏打ちされた信念で、就活に臨んでもらえたら、と思うこの頃です。

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3.「量」重視に足りていないもの~企業研究~

最近のエントリーはエントリーシートだけではなく、ネット上でのいわゆるプレエントリーも重視されていて、以前より手軽な感は確かにあります。

とはいえ、量重視で多くの企業へエントリーする作業は体力も気力も使います。

一つのエントリーに対してかかる時間もかなりのものですから、量をこなそうとしたらどうしても手を抜きたくなってしまいますよね。

そう、エントリー数が増えれば、それだけ時間がかかるのです。

時間がかかる、時間をなんとか短縮したくなる、手を抜きたくなる……。

そうなるとやりがちなのが、他社のエントリーで使った自己PR、志望動機をまた別の会社でも利用してしまう、という手抜き方法です。

 

これが実は「希望の内定」から遠ざかる一因なのです。

 

あまたある企業の中で、まったく同じ社風、まったく同じ業務内容、まったく同じ商品の会社は皆無です。会社はそれぞれカラーがあり、目指すビジョンも異なるものですからね。

なのに、同じ業界を受けるからという理由でA社に利用した志望動機をB社に転用すると、B社の人事担当者は、

「え~うち、グローバル展開は考えてないんだけど……。どこかの会社と勘違いしているのかな」

と、自社と照らし合わせて疑念を抱いてしまいます。

こうなったらエントリーしたところで失敗は目に見えていますね。

ですからどれほど時間がかかろうとも、企業研究を深く行ってからエントリーする方が、就活をする上で、量を稼ぐよりも効率が良いのです。

 

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4.まとめ

「数撃てば当たる」

この言葉で希望の内定はもらえない、とお伝えしましたが、「希望の内定」でなく、ただの「内定」ならこの戦法でも得ることは可能でしょう。

 

しかし、それはただ「内定」をもらえただけであって、「希望の就職先に就職できた」ではないと私は思います。

なぜなら、量重視の戦法にはそもそも「自分がどうしたいのか」が反映されていないからです。

 

実際、就職氷河期の時代には自分の意に沿わないような会社も何社もエントリーして、内定をもらった会社に就職をした、というケースは少なくありません。

私の友人にも数人います。

そして悲しいかな、そのうちの大半がすでに転職をし、まったく別の道を歩いています。

 

転職をした友人の一人がこんなことを言っていました。

「自分がやりたいこともよくわからないうちに就職しちゃったからねえ」

 

もちろん、そんな方ばかりでもないでしょうし、時代も今は売り手市場です。

状況は違うでしょうが、エントリー数ばかりを増やしてしまうやり方は、本当は自分がなにをしたいのか、自分はどう成長していきたいのかという「自分」の中の棚卸が不十分だと陥りやすい方法に思えます。

量をたくさんこなせば、それだけ就活を「やった気」にはなりますからね。

けれど、それはやった気であって自分の意志がそこには足りていません。

意思がなければ、続きませんし、そもそも運よく面接に進んでも熱意ある応対ができるとも思えません。

己を知らずして、結果はついてこないのです。

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